いつもいつでも。

「死のっか、もう、一緒に」 昨年の春頃に会って以来、A子とは音信不通になっていた。 https://www.datchang.work/entry/2018/12/13/000000 数か月ぶりに連絡が来たのは昨年の末頃で、おれは家から外へ出ることさえ容易なことではなくなっていた。 もうここ…

後ろ手に束ねた 恥じらいの花束が揺れる 

都会のサラリーマンなんて、字面で見れば華やかに見えるけれど実際のところ物理的に拘束されてその我慢料を手にしているだけに過ぎない。 そうして毎日時間と心を切り売りしている内に、トルストイが家庭の幸福の中で「人生における唯一の確かな幸福は、他人…

世界最大級の廃墟 華南モールからの脱出

数年前、中国の東莞という南方の都市を旅しているときに「華南モール」を訪れたことがある。 華南モールは一時世界最大になったこともある中国最大のショッピングモールで、中国のいわゆる建築バブルのときに建造された。 ところがその広さゆえに十分なテナ…

家へ帰ったことに免じて

深夜、満身創痍の身体を引きずって家の扉を開くと、暗い廊下の奥で干してある洗濯物が人の姿に見えることがある。 首を吊って、風もなくギシギシと音を立て揺れる自分自身の亡霊だ。 壁の電気を点けると亡霊は消え、いつもの何もない部屋がある。 部屋には大…

夜明けの西成・泥棒市場

まだ陽の昇らない時間帯、空気は肌を刺すように凍てついている。 紆余曲折あって数年ぶりに大阪は西成区のあいりん地区にいた。 朝の5時くらいになると、労働福祉センターの周りにはホームレス崩れの日雇い労働者を現場まで連れて行く為のバンがちらほら現…

サンフランシスコの韓国人

10年前、サンフランシスコに短期留学をしていた。 そのとき撮った写真を見返していたら、一人の韓国人の女の子のことを思い出した。 名前を彗林(hye lim yoon)といった。 韓国人らしい顔つきの美人で、いつもヒョウ柄や妙な色味のちょっとどこかエキセント…

1万アクセスありがとうございます!

当ブログは開設凡そ1月半で10,000アクセス達成しました。 昨年末、精神的にかなり追い込まれてネットで死ぬ死ぬ言っていたのですが、某氏から「どういう経緯で死ぬのか書いておきなよ、残された人には色々あるんだから」と言われたのが切っ掛けで遺書代わり…

何億年も前につけた傷跡なら残って

目を覚ますと、いつもの天井だった。 カーテンから白い光が差し込んで、塵の浮いた部屋の空気を照らしている。 嫌な汗をかいている。思わずため息をついた。 また、いつもの夢を見た。 * 中学の頃、ネットでは中高生の間で「前略プロフィール」というサイト…

死にたい。いつからか、そう思うようになった。

死にたい。いつからか、そう思うようになった。 自分が恵まれてないなんて思わない。 そりゃ上を見たらキリがないけど、やりたいように生きてきたと思う。その割には多くの人に愛して貰った。 そして世の中にはおれよりバカでブサイクで、どうしようもない人…

改稿と写真追加のお知らせ

以前書いた中国湖南省旅行記に出て来るP子が出産したという報告が入りました。 男の子で、名前を「奕博」というそうです。 博奕(バクチ)を子供の名前につけるなんていかにも中国人らしいなぁ、と思って笑いました。 P子いわく「奕:阳光,积累,昂扬。博:…

祖父の友人の話

1950年代の終わり、東京の新橋。 男は友人から流行らないバーを買い受け、経営を始めた。 それは後から考えてみれば半分酔狂のような雑な経営で、当然バーが赤字から回復することはなかった。 男には投機癖があった。 焦った男は、バーの経営を補填したい一…

見捨てられた町で。

神奈川県川崎市の海辺の工場地帯に、その集落はある。 第二次世界大戦中、日本第二位の鉄鋼業JFEスチール(旧日本鋼管)は、急増した武器需要に対応するため労働人夫として半島から朝鮮人を大量に採用し、日本に連れてきた。 いわゆる、徴用工である。 JFEは…

開設1か月、ブログの運営状況(アクセス数、読者数、pro化等)。

本ブログを開設して一か月となります。 現時点で記事数24ページ、アクセス数6,000、読者数80と開設1か月の成績としてはまずまずと思います(それ以前の記事は、現在下書きとして利用しているnote(https://note.mu/dat_chang)からの転載です)。 アクセス…

外国人研修生黙示録①

タイ人のパティアと出会ったのは数年前の夏の話だ。 当時、某県の酪農農業法人W社は経営規模拡大を目指し数億にもなる新規融資を我が社の支店に申し込んだ。 先進的な搾乳機械の導入や子牛の購入費用、子牛の飼料を自作するための耕運機の購入、土地の購入、…

ここじゃない何処かの国に、希望なんてあるんだろうか。

先日、某企業から招聘を受けて上海に行ってきた。 上海に到着する飛行機から外を眺めていると、夕日で真っ赤に染まった海に点々と風力発電のタービンが突き刺さっていて、まるでエヴァンゲリオンのLCLの海に刺さった十字架のようで、幻想的な光景だった。 空…